kiringrafica

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2006/10/22

—フェリーニの道化師/フェデリコ・フェリーニ

「コックと泥棒~」の衝撃から、当分は平穏な映画がいいなと言ったら、ハトが借りてきてくれた。道化って西欧の小説にはよく出てくるけれど、実物にはあまりなじみがなく、興味を持っていた。

そういえばサーカスって、私にとっても恐怖の塊だったなぁと思い出しながら観る。
家のプロジェクタはただでさえ画面が粗い上に、字幕の字体が特殊で判読できない。こりゃ相当おもしろくなければ私は寝てしまいますよ、と思った。案の上すぐ眠りに落ちる。

ちゃんと最後まで眠気と戦ったハトに内容を聞いたら、あまりおもしろくなさそうだった。

2006/10/20

***コックと泥棒、その妻と愛人/ピーター・グリーナウェイ

すごい映画。すばらしい映画。
まるで劇をみているよう。17世紀のオランダ絵画をのぞいているよう。
舞台美術、衣装がすばらしく、音楽が耳をつんざく。
グロテスクで、美しく、そして非常に醜い。拷問のように画面にひきつけられた。

終幕と共に、思わず拍手する。こんな映画があったんだ。
衝撃が深く、1ヶ月くらい静かにしていたいと思った。

2006/10/19

—鉄の男/アンジェイ・ワイダ

またもやポーランドを舞台にした作品。1981年のカンヌグランプリ。
始まってすぐ、ポーランドの体制など知識が少しでもあったら、もっとのめりこめるだろうなぁ、と悔しく思った。ついに途中から眠る。
たまに画面に顔を向けると、寒々とした駅のプラットフォームか、酒瓶や煙草を片手に人が話しているか、人が大勢立っているかだった。
隣で観ていたハトも眠いようで、ひっきりなしに動いてうるさかった。

2006/10/18

**-トリコロール白の愛/クシシュトフ・キェシロフスキ

続いて白の愛。
ポーランドが舞台だった。寒い映画っていいなー。吐く息が白かったり、空気が張りつめていたり、白い世界、それだけで大好きだ。
モチーフがよかった。その中には「青の愛」とちょっとしたつながりもあり、連作っていいなと思った。
こうしてみると、「青の愛」もよかったなぁと思った。やっぱりあれは、ビノシュは青だ。

2006/10/17

*–トリコロール青の愛/クシシュトフ・キェシロフスキ

映画をたくさん観ていそうな友人が、一番好きな映画としてキェシロフスキ監督の作品を挙げていた。今まで何度もビデオ屋で目にしつつ見ていなかったので借りてきた。
音楽がよかった。あくがなくさっぱりとしている。このところあくの強いものばかり観ているので通り過ぎてしまいそう。

2006/10/15

—薔薇の葬列/松本俊夫

「修羅」に続き松本俊夫。ハトのお勧め。何度も眠りそうになった。ストーリーがしっかりしていて、それだけで十分なのに、実験的なインタビューなどが織り込んであり、まったく必要ないと思った。
素顔のピーターとお化粧したピーターがまったく違って驚いた。化粧ってそんなにすごいのか?

2006/10/14

*–コントラクト・キラー/アキ・カウリスマキ

初めて寝ずにアキ・カウリスマキの作品を観ることができた。構図がいいと思った。どうってことない映画だった。ハトに言わせるとそれがよいそうだ。「やっぱりバンドマンがだらだらと演奏しているシーンも必要なの?」と聞いたら「もちろんだよ」と言っていた。私にはまだわからない。

2006/10/11

***修羅/松本俊夫

今日は修羅というハトおすすめのビデオを見る。監督は松本俊夫。なんて平凡な名前なんだろう。しかし映画はすごくよかった。飛び気味の白と黒の画像の中で、役者の横顔がどんどん鬼のようになっていった。人を殺すと、しかも何人も殺していくとどんどん鬼になっていくのかもしれないなぁと思った。血しぶきはカラーより白黒の方がよいと思った。

2006/10/10

—チェコのアニメ/ヤン・シュバンクマイエル

チェコのアニメということで、私はハッピーなのを楽しみにしていたのに、ぜんぜんそうじゃなかった。見ている途中で、ふと「シュール・・」という言葉が浮かんできた。見たくない映像も多く、しかも「Food」という冒頭の作品以外は間延び感が強くなってきて、途中から寝てしまった。終わったときに起きた。シュールだったね、というと、ハトは「それがチェコという国ではまだシュールレアリズムの運動があり、彼は現役のシュールレアリストだ」といった。私はなんとなく感心した。

次の朝ビデオに書いてある説明を読んでみると、とてもハッピーなアニメの説明ではなく、チェコのアニメというだけで勝手に期待していたんだなと思った。たとえハッピーじゃなく見たくない画像が多くても、もう少し引き込まれるような動画であってほしかった。時計仕掛けのオレンジみたいに。

2006/10/06

**-七人の侍/黒澤明

ついに観た。長大。壮絶。
ひとりひとりに焦点が当てられ、役者ひとりひとりが光っていた。
武勇伝かと思っていたが、むしろ人間の話しだった。
竹槍がとても痛そうだった。馬が疾走しているのはどの映画でもわくわくする。

2006/10/06

**-太陽を盗んだ男/長谷川和彦

昨日見た「太陽を盗んだ男」がとてもおもしろく、今日は何回もハト(夫)と「おもしろかったねぇ」と相槌をうちあった。そしておもしろかったところを列挙しあった。
とにかく徹底的につくりこんであるところがよいと思った。沢田健二がどうしても死なないところとか、菅原文太警部もなかなか死なないところとか。そしてようやく死んだ死体の手のかたちとか、お金を屋上から振り撒く警官とか、つくり話としてとてもよい!という箇所が随所にあった。
それに、「原爆をつくったけれど、何を要求すればいいのかわからないんだ」というところや、警部が最後に「君が殺したいのは君だけだ」というところなど、つくり話を越える現実があり、そういうくさびがさらに夢中にさせた。ああこれはおもしろい映画を観たなぁとしばらく余韻が続いた。

2006/10/01

***ハウルの動く城/宮崎駿

2度目。すごく好きだ。声優陣がいい。荒地の魔女の「安っぽい帽子」とか、ハウルの「そう、上手」とか、マルクルの「待たれよ」など声まねして遊んだ。分厚いベーコンと目玉焼きが出てくるシーンがとてもおいしそうで好きだ。ハウルの羽が生えたり引っ込んだりするところが好きだ。

2006/10/01

*–RISE/デヴィッド・ラシャぺル

ビデオ屋の新装記念で一本10円。ずっと観たかったRISEがあった。
Sick, すごい。怒りとか悲しみとか感情を肉体(ダンス)で表せられるのってすごいな。
青い海と空を前に、褐色の肉体から汗が飛び散る映像はきれいだった。ちょっと長く、疲れた。

2006/10/01

—フラガール/李相日

フラダンスに興味があったので行ってきました。映画館に行ったらちょうど映画の日で1000円だった。
「はい笑ってー」「はい泣いてー」って感じの映画だな、それに巻き込まれたくないな、というのがずっとあって、素直に楽しめなかった。
のに4回くらい泣いてしまった。泣かせるつくりってあるんだろうな。
観終わったあと、1000円でよかったと思った。
蒼井優がよかった。