kiringrafica

土を耕す男がいた。
男はひんやりとした土くさい家に羊と住み、
畑で穀物や野菜を育てていた。
男はほとんど誰とも口をきかず、代わりに土と話し、羊と話した。
ひでりの夏は乾いた土にしゃがみこみ、土を掴んで口にした。
雪深い冬はパン種と眠り、彼の指のようにごつごつとしたパンを焼いた。
遅い春がくると、男は遠くの空を仰ぎ、羊の背に手を置いた。
長雨の秋に羊が死ぬと、男は羊肉のスープをこしらえてすすった。