2016/10/04
あっという間に秋ですね。
台風はどこを通ってもたいへんですが、近しい人たちの顔を思い浮かべ、心痛みます。
この日記もずいぶんと放ってしまいました。
9月。
いすゞがいました。
ずっとお願いしていた猟師さんのところに何年かぶりに子犬が産まれて、
わが家に1匹やってきたのです。
待望の犬!!
たれ耳の、目の大きな子犬!!
いすゞと名づけました。
秋のはじまりの黄味がかった光の中を散歩に出ます。
ぬいぐるみのようにコロコロとしたいすゞが猛ダッシュして、
しょう君は足を引きずるように蛇行して、
それを後ろから追いながら、
こんな幸せな光景があるだろうか、と思いました。
いすゞはまっすぐで真剣で前向きで賢くて、ああいい犬だなあとほれぼれしました。
猟犬の地をひくだけあって、噛み癖がひどく、
私の頭の中はしつけのことでいっぱいでした。
立ち直りが早く明るく気高くて、
上手にしつけることができたら、すばらしい猟犬になるに違いありません。
子犬はすぐに大きくなるし、
しょう君もすぐにまっすぐに走るようになるだろうし、
とこの光景の賞味期限の短さを思ったのですが、
突然終わりがきました。
10月1日、いすゞは事故で死んでしまいました。
いすゞを抱き上げると、温かくしなやかにやわらかく、
ひたむきにに鼓動する「生きている感」に溢れていました。
その鼓動はやわらかい皮膚から飛び出そうなほどの荒々しさがあり、思わず緊張しました。
同時に私の手の中に納まろうとしているもどかしさも感じられ、とても愛おしかった。
手の中にまだその感じが残っています。でももうその温かさに触れることができない。
賞味期限なんてなかったんです。
今を、今に生きる、それだけなんですね。
ああ私、いすゞのこと守りきれなかったよ。
いすゞ、ごめんね。また会えるとよいのだけれど。