四日市のメリーゴーランドで長田弘さんのレクチャーがあった。春からずっとたのしみにしていたレクチャーを前に、喫茶店でFはアイスクリーム、ハトさんはカレーを頼む。私はコーヒー。

ことばも、詩も、長田さん本人も全部一致していた。言葉の世界に生きる覚悟を感じた。
「変わらないものは僕にとってなにひとつないんだし、僕は変わっていく」、そのうえで、20代の青年(45年前の長田さんのことだ)の書いた詩を公平な新しい目で読み、「何も変わっていない気がしました」、と言えること。
下の階のおじさんに似ていて、しかも似ているだけじゃなくて、本当に下の階のおじさんで、私がずっと気づかないだけだったかも、と思わせる静けさがあった。沖のような、動を持った静けさ。聴くことに徹している静けさ。

これから何度この感覚を思いだし、励まされることだろう、と思う。心のお父さんだ。